社内SEはホワイトって言われてるけど本当かな?
このような疑問にお答えします。
社内SEはホワイト、SIerはブラックなんて世間ではよく言われています。
なぜ社内SEはホワイトと言われているのでしょうか。
それはやはりSIerは残業が多く、社内SEは残業が少ないというイメージだからでしょう。
そういう意味では確実に社内SEはホワイトと言えます。
でもそれだけで本当にホワイトと言えるのでしょうか。
もともとSIerとして働いていた私が社内SEになったことで、社内SEは本当にホワイトなのかどうか体験をもとに解説していきます。
一般的には情報システム部、略して情シスに所属している人たちが“社内SE”と呼ばれてます。
中にはボクのように社内システム全般をひとりでやっている“ひとり情シス”って人もいるよ。
社内SEになった理由
もともとSIerで働いていた私。
その会社はとにかく残業と休日出勤が多い。
残業代はちゃんっともらっていたので、そういった意味ではまともな会社だったのかな?
でも実際体力勝負みたいなところもあって・・・
実際に体力のある若者はたくさんいたのですが、あまりおじさんは見かけない・・・
つまり長く働けないという定義がみごとにはまるパータンでしたね。
そんな中でSIerを辞めて社内SEを目指した理由は下記の4つになります。
これらをクリアする為に、見つけたのが“社内SE”という職種でした。
実際に社内SEになったことで見事全てクリアしました!
そういう意味では私的にはホワイト認定ですね。
客先常駐から解放されたかった
この軸で考えた場合、社内SEは自社勤務なので客先常駐から解放されました。
客先に気を遣うこともなくなりました。
残業や、休日出勤を減らしたかった
この軸で考えた場合、社内だからスケジュール調整しやすい。
つまり相手はお客さまではないので調整が出来る=時間調整が可能=残業が少ない・休日出勤が少ないということなんですよね。
ただし、少ないと言っても社内にも、ある程度の仕事の納期があったり、業務量や開発の有無に応じて残業や休日出勤はあるんですけどね。
将来的に長く働ける職種に就きたかった
体力勝負だったSIerに比べると労働時間が減り、客先の常駐もなくなったので、そういう意味では同じ職場で長く働けると思います。
システム系の業務を継続したかった
SIerを辞めても、システム系の仕事は続けたかったんですよね。
今の時代、終身雇用も崩壊していて頼れるのは己自身のみ。
やっぱり手に職を持っているほうが安心だと考えたからです。
社内SEになって分かったこと
自分の理想をクリアして念願の社内SEになり、それなりに楽しく仕事をしていたのですが、
実際に社内SEになったことで分かったことがあります。
それは・・・
社内の立場が弱い!
人事異動の可能性がある!
の2点でした。
社内の立場が弱い
それは社内SEの立場が弱い・・・
とにかく弱い・・・
社内SEとして3社に所属してそれがよく分かりました。
企業毎に少し差はありますが、社内SEは直接利益を生まない間接部門なので営業部に比べ、立場が弱い傾向にあります。
他部門に言わせると、システムというだけで、何をやっているか謎が多いのがシステム部らしいんです。
ちゃんと説明してるのに謎って言われているんですよ。
訳わからないですよね。
一般企業ではITリテラシーが低い人はたくさんいます。
そしてシステムに対し、理解がない人がたくさんいます。
一部の人たちではあるのですが、「こんなんじゃ困るよ!」とか「なんでこうなるんだよ!」とか
全てシステムのせいにする心無い言葉がとてもイヤですね。
こういった精神的な苦痛を考えると一概にホワイトとは言えないのではないでしょうか。
人事異動の可能性がある
私が思った最大のデメリットは“人事異動でシステムに関係のない部門に異動する可能性がある”ということ。
営業であるとか、経理であるとか、システムに関係のない部門に飛ばされる・・・
つまり職種が変わってしまうということなんですよね。
これってかなり重要だと思うんですよね。
SlerでもSEから営業に異動になる人は見たことがあります。
この場合は自社製品のシステムを売るということでシステムとの関わりはゼロではありません。
逆に技術がある分、システムに詳しいので重宝される場合があります。
そういった面もあり、社内SEをやっていく上で、キャリアパスがとても大事になってきます。
自分は社内SEになって将来どのようにキャリアをつんでいくのか・・・
管理職を目指すのか。
スペシャリストを目指すのか。
きちんと考える必要があります。
なぜ事業会社は人事異動で社内SEを他部署へ異動させるのでしょうか。
理由としては下記の3点となります。
社内のジョブローテーション
企業によっては定期的に社内のジョブローテーションを実施するところがあります。
企業側のメリットとしては“人材の育成” “業務の属人化を防ぐ” “部門間の連携が円滑になる” 等があげられます。
デメリットとしては“一時的な生産性の低下” “社員の退職” “スペシャリストが育たない” 等があげられます。
企業の規模や考え方にもよりますが、社内SEに関しては専門性が高いので社内ジョブローテーションから除外するケースが多々あります。
社内のジョブローテーションを実施している会社が、システムの専門性を理解し、ジョブローテーションのメリットやデメリットをきちんと理解しているのであれば特に問題ありません。
しかし、ITリテラシーが低い会社であればあるほど、システムの専門性や重要性を理解していません。
そういう企業は十分注意して下さい。
この人事異動がブラックとは言いませんが、社内SEになる人は少なからずシステムの仕事がしたくて入社してきたはずです。
また社内SEは専門性が高くスペシャリストであるべきです。
整合性がない人事異動に関しては十分に注意しましょう。
事業所内のシステムを管理する上で勉強のため、一時的な異動
別部門のスキルを学ぶことにより、将来的に多角的な視野を持ち、部署横断で考えられる人材を育てるという観点からの異動があります。
特に社内SEは営業を経験し、現場を勉強して、将来的にシステムに活かすようなパターンが求められています。
しっかりとしたキャリアパスを考えていて、将来的に管理職になりたい人には向いています。
ただし、職種が変わるので社内SEの退職を促す一因にもなっています。
自分が将来どのようになりたいのかで考え方が変わりますね。
社内SEとしての適性不足による異動
本当に社内SEに必要なスキルがなく、適性不足と企業が判断するのであれば仕方ないかもしれません。
ただし、この場合誰が判断するかで大きく違います。
一般企業では社内SEが所属する部門長は、システムを理解していない人のほうが圧倒的に多いです。
もしこんな人がジャッジを下しているような会社だとすればさっさと抜け出したほうが身の為です。
まとめ
私が思う社内SEの最大のデメリットはシステムに関係のない部署に異動させられる可能性があるということ。
社内SEもいち社員です。
それはしょうがないことなのかもしれません。
しかし私の場合、社内SEになった理由が“システム系の業務を継続したかった”なので、別部署に異動となるとそもそも社内SEになった理由が崩壊します。
企業にもよりますが、もちろん勉強のため一時的に異動があった場合でも将来的に元の部署に戻れる保証はありません。
適正な理由がない場合、それは私にとってブラックの要素以外、なにものでもありません。
結果としては社内SEはホワイトだけど、考え方次第では大いにブラックに反転する要素も持っているので気をつけましょう。