社内SEに転職を考えるとき、今のスキルや技術力で可能なのかな?
どんなことが能力やスキルとして必要なんだろ?
色々不安があると思います。
業界や企業によって違いはありますが、現役社内SEからみた本当に必要なスキル10個をご紹介します。
一般的には情報システム部、略して情シスに所属している人たちが“社内SE”と呼ばれてます。
中にはボクのように社内システム全般をひとりでやっている“ひとり情シス”って人もいるよ。
社内コミュニケーションスキル
社内SEは社内の社員のほぼ全員を相手にします。
相手も人間です。もし社内SEの人が感じの悪い人だと嫌ですよね。
なので、話をしやすい人や、親しみやすい人だと社内SEに向いてます。
社内のヘルプデスクも業務に含まれる場合が多いです。
ITリテラシーの低い社員相手に対し、初歩的な質問に関しても、相手に理解できるように、専門的な内容を分かりやすく、問題解決に繋がる内容を説明する必要があります。
笑顔でハキハキまでとは言わないまでも、不機嫌にならずに対応できるようになるといいですね。
社内SEが2人以上いる場合、どうしても人当たりのよい人にヘルプデスク等の問い合わせ業務が集中してしまいますので注意が必要ですね。
相手の立場になって考えられるスキル
機器やシステムを提案する際に、現場の人間が使えるか?という点を意識する必要があります。
良かれと思って、たくさん機能をつけたシステムを導入したとしても、使い方が理解できなければ誰も使ってくれません。
一般的に社員のITリテラシーはものすごく低いです。
ホント思っている以上に低い!
また技術的な説明をする場合、専門用語をなるべく使わずに相手が理解できる言葉に翻訳して伝えることが大切です。
私自身、社内SEをして最初につまづいた経験があります。
ホントに伝わらないです。
しかも思った以上に専門用語を使わないのは大変なんですよね。
社員さんに「横文字は使わないで」って言われたりすることもありましたね。
仕事の優先順位をつけるスキル
社内からPCが調子悪いという連絡と、社長から呼び出しがほぼ同時にきたら、あならならどうしますか?
社内SEにはこんなことも日常茶飯事です。
社内の力関係と緊急度に応じた状況判断が求められます。
おおげさかもしれませんが、結構これ大事なんです。
時と場合によりますが、社内のPCの調子が悪いとはどの程度業務に影響するのか。
社長の呼び出しにどのような用で、どの程度の緊急性があるのか、総合的に判断する必要があります。
その為にはそれぞれのヒアリング能力も必要になってきますし、判断力も必要になります。
自分で問題解決できるスキル
社員のPCが朝一で壊れて起動できない。ローカルに保存していたデータが午前中にどうしても必要とのこと。
あなたならどうしますか?
休日出勤、もしくは夜間作業時にサーバのメンテナンスを1人で実施したが、手順を間違えてデータ損失。
あなたならどうしますか?
同僚も上司も頼れない。頼れるのは自分自身のみ。さあどうしますか?
短時間で重要な判断をしつつ、問題解決することが求められます。
判断のベースは自分の知識と経験からですが、様々な方法を短時間に試す必要があることから、フットワークが軽く行動力があることが望まれます。
技術が自分で身につけられるスキル
一般企業の社内SEはよく、スキル不足を指摘されます。
技術力を高める為には自学自習が必要です。
自発的に行動出来る事、向上心・探究心が必要になります。
外部セミナー等を積極的に利用し、スキルを向上させましょう
ですが一般的なSEのような高度なスキルまで身につける必要はありません。
ある程度身につけて、あとはベンダーに任せることにしましょう。
粘り強く業務をするスキル
例えば、100台のPCを入れ替えろとか、社内の全PCにあるソフトをインストールしろとか、人力でかつ、時間のかかるタスクが発生する可能性があります。
ベンダーに外注する方法もありますが、コストの関係でいつでも頼めるわけではありません。
誰も助けてくれない状況でも心折れずに最後までやり切る力が必要です。
パソコン全般に精通するスキル
会社では企業の規模や業態にもよりますが、多くの台数のパソコンやサーバーを利用します。
それらは一般的には、社内SEが所属する「情報システム部」が管理します。
管理とは、機器の選定・機器の発注・設定・設置場所の管理・故障やトラブル時のサポート・誰がどのPCを使用しているか等、多岐にわたります。
PCは、CPU・メモリ・HDDなどの様々なパーツが組み合わされて作られています。
それらの知識がないと、パソコン調達時に適切なスペックの選定ができません。
企業の規模によっては、頻繁にパソコンの故障やトラブルの連絡がきます。
ひとり情シスの場合はこれら業務のすべてをこなしていく必要があります。
それらを効率的にこなしていくには、やはりパソコンのハードウェアの知識は不可欠です。
ネットワークのスキル
業務システムや各システムを動かしているサーバーの管理をする場合があります。
各拠点で使用するIPアドレスの管理、オフィスフロアのLAN構築、場合によってはファイヤーウォールやルーター、スイッチ等を用いて社内ネットワークを構築する場合があります。
よって、ネットワークに関する基礎的な知識があると、社内のインフラ全体を運用できるようになります。
しかし、一般的にはサーバー、業務システム開発等を外注している企業が多いです。
ただし、そのサーバーやネットワークで発生したトラブルの現象を的確に理解し、障害の切り分けを実施し外注ベンダーへ伝える基礎的な知識が必要になります。
的確な指示をすることで何らかの障害に対し、復旧するまでの速度が圧倒的に違います。
また、知識があることで、社内で解決できることもあるので外注ベンダーに連絡するまでもない場合が多々あるのでやはりネットワークの基礎的な知識は必須と言えるでしょう。
例えば、こんな障害があったとします。
- インターネットに繋がらない
- ファイルサーバーに繋がらない
- 通信が不安定で途切れる
こういった障害があってもネットワークの基礎的な知識があればある程度の障害切り分けが可能です。
切り分けが可能であれば、自分で最後まで解決できる場合もあります。
ネットワークというのは企業の情報基盤を支えるインフラです。
ネットワークのトラブルシューティングは社内SEの大事な業務のひとつになります。
ベンダーコントロールのスキル
企業にもよりますが、システムの外注と内製化に分かれます。
システムを外注している場合はベンダーコントロールのスキルは必要不可欠です。
たとえば社内システムの設計・構築からベンダーに委託する際でも、ある程度知識がないと適切な指示を出せませんし、なにより、成果物の評価ができません。
ただ偉そうに命令のみしているとベンダーにも嫌われますし、なにより社内で使い物にならないものが出来上がります。
元々SEであれば、システムに関わった経験は、自社のITシステム構成を考える上でともても重宝されます。
社内のIT環境を整えていく上で、社内で要件定義をして、ベンダーを選定し、全体のプロジェクトを進めていく必要があります。
様々な人が関わってきますが、それらの全体像を把握し、最終的な決断をして、まとめあげていかなければなりません。
そういった意味ではリーダーシップも同時に重要なスキルのひとつになります。
まとめるとベンダーコントロールとは自社とベンダーの調整役です。
ITの知識、マネジメント能力やリーダーシップ、責任感、強いメンタルを全て持ち合わせるスキルになります。
VBAのスキル
これに関してはあったほうが良いくらいのスキルとなります。
なくても大丈夫なのですが、あったほうがより社内SEとして力を発揮できます。
VBAを用いて、業務を自動化すると社内でも評価も上がりやすいです。
企業の業務おいて、いくらシステム化が進んでいたとしても、Excelを用いたデータの管理は必ず発生します。
ですが、外部ベンダーに発注するほどでもない業務なんですよね。
その場合はVBAで業務を自動化するととても喜ばれます。
まとめ
通常のSEはシステム的な深い知識が必要ですが、社内SE(情シス)は複数のマルチスキルが必要になります。
今このスキルがなくても、社内SEをしているうちに自然と身につくスキルもあります。
しかし、自分から学ぶ姿勢がないと社内SEは務まりません。
普段からアンテナをはって勉強する癖をつけて下さい。
一般的な企業はシステムの内製化を推進し、社内のITリテラシーが高い企業というのは稀で、どちらかというとシステムを外注し、社内ITリテラシーは低い企業が多いです。
そういった企業で、マルチタスクができ、企業の全システムの中枢機能を担う役割ができる社内SEになりましょう。